マイペンライ日記3

  • コラム

ここでは一旦レールを外れたら戻るのは至難の技だ、と思った。

 

「どこででも生きていける子になってほしい」
世界に出ることを躊躇しない、言葉の壁もふわりと越えられるような、たくましくしなやかな子になって欲しい。生きたい場所を自分で見つけられるように。

 

「半年いられたらいいな」
海外移住なんてできるはずがないと思ってた。軽自動車を売ったお金を握りしめ、タイの東北部にある聞いたこともない村へたどり着いてから気がつけばもう10年目。
タイの田舎で再婚→出産→破局と遠回りはしたものの、今は目標だったバンコクでお手伝いさんを雇って働いている。定時で帰ると家事から子どものシャワーまで終わっていて、食事もできている生活。何より自立できたことが本当にうれしいし、子どもたちが英語やタイ語で色んな国の人とコミュニケーションを取っているのを見ると来てよかったなと思う。

 

あいかわらずあんまりお金はないし先のこともわからないけど、一歩踏み出すことで目の前の世界は変わるって実感できたことは、とても大きな糧になった。

 

 

 作者プロフィール

おこめ
秋田県能代市出身。 2012年、涙で明日が見えなくなり心機一転タイへ移住。現在はバンコクにて現地採用で働く傍ら作家活動をする二児の母。座右の銘は「なるようになる」。
著書: ゼロからスタート!タイ移住サバーイマニュアル